<2006年4月>

4月の月釜は、花祭りの茶会です。
花祭りは、お釈迦様の誕生を祝い、智恵と慈悲の教えを信じていくことを誓う日であり、
子供たちがすくすくと育つことを祈願する日でもあります。
お釈迦さまは2600年ほど前の4月8日、北インドのルンビニーの花園でお生まれになり、七歩あゆみをすすめ、
右手で天を指差し、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と宣言されたそうです。
誰もが、この宇宙でたった一人の尊い命をいただいて生まれてきた。
一人一人の命の大切さを伝えてゆきたい。

その時、天に住む竜が感激して甘露の雨を降らせ、花々は咲き匂い、誕生をお祝いしたと伝えられています。
春の花で飾られた花御堂に水盤をおき、その中央に誕生仏を安置して、甘茶をかける浴仏会(潅仏会)として親しまれ、
日本には7世紀ごろ中国から、伝わってきたようです。
待合では汲み出しに甘茶をお出し、故事にちなんで、雲竜釜を釣りにしてかけました。

掛け物はお釈迦様にちなんで「拈華示衆 
衆皆黙然 」の語をかけました。
釈迦が霊鷲山で説法しているとき、華を大衆に示したが、皆無言。一人、迦葉尊者のみが微笑したと
いう、以心伝心のエピソード。華は一人一人の命、生き方、そんな風に私は解釈していますが、さて。

茶花は、本来はこれから開く蕾や、
ひたむきに咲く可憐な花、楚々とした、
また凛とした花を入れますが
今回は趣向でルンビニーの花園に思いを
馳せてみました。

香合は象の絵柄がはいった、大理石の小物入れ
インド製です。インドというと象しか思い浮かばないのは、ちょっと情けなかったけど。
上手い具合に、町でみつけました。

お釈迦様の誕生日なので、少し、改まった長板の
点前。水指は蓮の池紋様です。

主菓子は手づくりの桜桜。インドのアルミのトレーを器に。インドにも桜は咲くのでしょうか?
峯風庵の前の公園の桜は見ごろでした。

干菓子は、四天王寺の河藤さんの蓮華の花弁を
蓮の花にして。水は手づくりの白餡入りの落雁です。

私もこの日は少し華やかな桜紋様の着物でした。
お客様もブルーの桜紋様のお着物。
春をまとって、気分ルンルンの一日でした。

いつもいらしてくださる着物仲間の皆さん。
お茶席が華やいで、うれしいです。

真ん中のお茶碗が今回の主茶碗。赤膚焼き、小川二楽さんの奈良絵です。
奈良絵はお経を題材にした絵付けなので、お釈迦さまの誕生日には、もってこいかと。
左右の二椀はインドのボールを見のて使いしました。花唐草も紋様も花祭りにピッタリでした。

 

<2006年3月>

第37回目の月釜は、雛祭りの茶会です。昨年も雛祭りをしましたが、この時節になると、やっぱりお雛様を出してあげなくてはと思いました。
私が生まれた時に両親が買ってくれたお雛様、もうすっかりアンティークになりましたが、なかなか美しいお顔立ちのお雛様です。
炉の番をしてくれた人形を蹴っ飛ばしそうとか、火の中に落ちないかなと心配してくださった皆様、ありがとうございました。
今年も全員、無事勤めを果たしてくれました。(笑)

三人官女が受付でお出迎え。

汲出しかわりに、手づくりの白酒を。

 

お内裏様とお姫様は床にいらっしゃいます。

春らしく、椿はいつもより少し開きぎみの物を
いれてみました。

五人囃子は風炉先に。

三人の仕丁は、炉のまわりを守ってくれました。

手づくりの桃風味の主菓子。桃の花で菱形を作って、
その中に盛ると、雛祭りらしくなりました。

雛あられの取り方を伝授。
小さなお菓子は取りにくいし、こぼれやすいので、懐紙を袋にして、すくいます。そのまま袋を持って戴くと、ポロポロこぼれることもありません。

蛤棚は表流のもの。花紋様の水指、バリ島で見つけた若草の花紋様の小箱を薄器に見立てて使いました。

お雛さんと一緒の茶会は楽しいなあ~~。今日は私も雛祭りにちなんで貝合わせの文様の着物を着ました。でも、あんまり解からないですね。残念。

*****

<2006年2月>

三周年、第三六回目の月釜です。三周年のプレッシャーか、なかなか趣向が決まらなかったのですが、伏見稲荷にお参りして、初午の茶会にすることになりました。今年は2月10日が初午です。平安時代初期からの伝統行事。伏見稲荷に神様が降臨されたことから、各地の稲荷神社で祭典を行うことになったとか。今昔物語、枕草子にも、お参りは、お弁当を持って物見遊山の楽しみとして描かれていいます。稲荷神は、農耕を司る神で、五穀豊穣、福徳、現代では家内安全、商売繁盛も祈願しています。稲荷神のお使いは狐。油揚げを供えたり、初午団子を作る風習も。
三周年のお祝いもかねて、紅白の色使いで。

初午らしく、福の字を入れました。
大徳寺 管長 誡堂和尚の墨蹟です。

花は赤い侘び助椿とサンシュウ。
もうすぐ春です。

赤の釜敷に宝珠の香合を飾り、神社のイメージに。

初午の馬にちなんで、馬乗り袴を穿いてみました。
能の仕舞いをしていたときのもので、金春縞がお気に入りの袴。
でも、なんか太って見える~~。

お菓子は三周年をイメージして三色団子。昔は、初午のお参りにも参道の茶店で初午団子が売られてたそうです。干菓子は伏見稲荷で求めた狐煎餅と手づくりの手綱。伏見稲荷のお参りの記念の印の杉を一緒に飾りました。

水指と棗を紅白に。蓋置は馬齢です。いい音がします。退出の時に、鳴らして帰られる方もたくさんいらっしゃいました。(笑)

お茶碗は神社の神馬と、白狐の銘のある志野茶碗、赤楽など。

<2006年1月 月釜 >

一月の月釜は日程を変更して、日曜日に開催させていただきました。
いつも平日で参加できないわ~とおっしゃっていただいた方にも、いらしていただければと。
年々、お正月らしさも薄らいでいく世間の様、お茶の世界くらいは、しっかり日本の素敵な文化を
伝えてゆきたいものですね。清々しさと華やぎ、お正月のお茶会をお楽しみいただきました。

茶家のお正月の床には、一陽来復を祈って
結び柳を掛けます。清々しい空気が漂います。

香合は今年の干支の戌。
年末のご挨拶に行った伺った折、
師匠からいただいた物です。
赤い釜敷に乗せて、めでたく紅白に。

お正月ですから少し改まって、
寿棚に、松の絵の水指、
棗華やかな色紙蒔絵の大棗を
ご用意しました。

主菓子は新作の練り切り。銘は初春です。

干菓子は、手づくりの松の州と、毎年恒例ですが
開運干支飴を京都から取り寄せました。

今月のサプライズは、ゆめさん。
茶道塾のメンバーゆめさんが、
2席亭主を担当していただきました。
まだお茶をはじめて1年ちょっとですが、
なかなか様になっていますね。

お茶碗はおめでたい、注連縄や鶴、干支の戌などでお正月気分をお楽しみいただきました。

<2005年12月 月釜 >

12月、何かと慌しい時期ですが、めげずに第34回めの月釜を開催しました。
折からの寒波で、来てくださるお客様があるのかと危ぶんでおりましたが、たくさんのお客様がいらしてくださり、
いろいろ趣向に苦労した甲斐がありました。
師走の風物詩を茶会で楽しんでいただく趣向です。

今年も一年、無事にすごせましたという
思いを 込めて、軸は「無事是貴人」。
でも、本当の禅語の意味は
心になにごとも計りごとをせず
無心でいることが尊いということなんですが
12月にこの語を掛けることが多いようですね。

香合は宝船。七福人と数々のお宝が
載ってます。
そう、年末ジャンボ宝くじです。当たるといいね。

花入れの形は蹲。
寒くて思わず蹲ってしまう、そんな季節です。
花は初嵐(白い椿)と黒文字の枝。

主菓子は蒸したての
アツアツ酒まんじゅう。
ねずこの木で作られた蒸篭ごと
蒸しました。

干菓子は四天王寺の釣鐘屋さんの釣鐘煎餅(除夜の鐘)と手づくりの人型の雲平。
白い男の子と赤い女の子。そうです、年末恒例紅白歌合戦。今年はどちらが勝つかしら。


棚は寒雲卓、水指は算盤の玉の形をした唐津です。
師走の寒い町に
算盤片手に掛け取りが忙しく
走り回る、昔の庶民の生活をイメージして。

「木枯らしや」の歌が書かれた先々代の桐山さんの茶碗、清閑寺の十二支、クリスマス、
送り干支の酉、迎え干支の犬などお茶碗で、師走の風物詩を楽しんでいただきました。

薄器の蒔絵は巻物でしたので
忠臣蔵の連判状のつもり、茶杓の銘は「千秋楽」。
南座の顔見せ興行も師走のお楽しみ。
そして、今年もいよいよ千秋楽です。

<2005年10月 男の茶道塾 メンバー主催 テーマ:笑っていただきましょう>

― 床 ―

軸:掉棒打月
名残の季節の花を背負籠に
香合:瓢箪


 ― 風炉先屏風 ―
大阪の御堂筋の銀杏(いちょう)をイメージして

                   ゆめ 作

―主菓子―
ニコニコ上用饅頭+虎饅頭

月釜の前日、メンバーが集まって
準備をしました。

主菓子も明日の出番を待っています。
お客さまにニコニコ笑っていただけるよう
思いを込めて笑顔を描きました。

― 棗・茶杓 ―
馬×9頭で「上手く(うまく)いく」 という判じ物
茶杓の銘:目盛・MEMORY  さと吉 作

第32回の月釜は、男の茶道塾のメンバーで釜をかけることになりました。男の茶道塾をはじめて今月で丁度一年。

茶歴四ヶ月のメンバーも亭主を務めさせていただきました。

テーマは「笑っていただきましょう」

まだ、始めたばかりで点前もおぼつかない面々、お客様の失笑を買うのも覚悟のうえ。

大阪のど真ん中のビジネス街にある峯風庵ですし、大阪といえばやっぱり笑いよね~と言うことで。

折から、阪神タイガースもリーグ優勝、もう、笑いが止まりませんでした~。

―主茶碗―
茶会のテーマ: 茶碗
竹冠の下に犬がいます

<2005年9月 野分>


―汲み出し―
菊花を形作ったジャスミンティー

― 床 ―

― 風炉先屏風 ―
野分の過ぎ去った荒野のススキ


主菓子―(市販のもの)
干菓子―吹き寄せ
(野分の風で吹き飛ばされた木々の葉っぱなど)

 
― 花 ―
瓦けや野の草を

野分という銘のある茶杓が、ご縁があって峯風庵の道具の仲間入りをしました。

清少納言の枕草子の一節が、鮮明に目に浮かびました。

人生には雨の日も風の日も、台風の日もあるけれど、またがんばろうねという「心萬境随転」の語を床に掛けました。

折りしも、当日は昨年に引き続き、大阪にも台風が接近。
アメリカではハリケーンで大きな被害が。

でも、台風が去った翌朝のあのあっけらかんとした青空、何処で雨風を凌いでいたのか
小さな虫や鳥たちが、何事もなかったかのように、空を飛び、さえずりはじめます。

生きるということを考えさせられます。

<2005年8月 見立て道具で楽しむ 南の島のお茶会>


―待 合―
煙草盆 線香を焚いて


―汲み出し―
ブルキュラソーのソーダ割り


―床―
円相の軸
大海に浮かぶ島に見立てて


南国の花をココナツの花入れに
敷板はバナナの葉を模して
作られた木彫細工


―香合― 海亀


茶友のたきこさんがこの日のために描いてくれた
風炉先の波の絵が効いてます。
椰子の葉を敷いて、中国の金魚鉢を水指に
(新品ですのでご安心を! )

8月は恒例「南の島のお茶会」です。
私の大好きなインドネシアのバリ島の雑器を中心に、本来は茶道具ではないものを茶道具に見立てて使っています。

床に掛けたお軸と茶筅以外は全て見立ての道具。これだけ、目いっぱい見立て道具が使えて、幸せでした~。

見立て道具は、下手に使うと品がなくなったり、席がうるさくなるのですが、我ながら、今回も成功。これだけやったらサプライズでしょ。
あまりの暑さに、風炉釜をはずして、大きなガラス鉢に氷を入れて冷水点にしました。風炉がないと茶席では香が焚けないので、待合ではバリ島のココナッツの香りの線香を。


薄器はアジアンガラスのコップに
バリ島の小物入れの蓋をあわせたもの
茶杓はマドラーです


ハイビスカスティーの赤い色と
淡雪羹の白がきいている
手づくりの主菓子
銘は「情熱の花」
熱帯魚の形をした
ブルーのガラス皿に盛って


ココナッツの容器に入れた干菓子は
ドライマンゴーとコーヒーピーナッツ