<2005年12月 除夜釜>

 

除夜の床は、一年の終わりにふさわしく「無事是貴人」手燭のあかりで拝見します。
花の代りに、蝋燭の油煙を吸ってくれるという石菖を置きます。

まづは、今年最後の薄茶を差し上げます。

続いて、年越し蕎麦を。冷めないように小風呂敷に包んで運び出します。

 

お寺に除夜の鐘をつきに、そして神社に初詣をすませて
お客様が戻られる頃には、待合の掛け物も新年のものに変えて、お出迎え。
汲み出しは大福茶です。

新年の床には、おめでたい結び柳とのし飾り。改めて、主客、「あけましておめでとう」のご挨拶から新年の茶事が始まります。

 

半田を持ち出し、昨年の炭を上げ、その中から種火をもらい、初炭手前。
釜の湯は、新年の若水に替え、清々しいお正月の湯を沸かします。

写真の半田は、私の見立て。
琵琶湖のほとりの穴釜で焼かれた鬼が島焼きの大鉢です。
作家は武田 浪。力のある作家です。

炭手前が終ると祝膳をお出しします。
お正月らしく、羽子板に盛り込んだおせち料理の数々

煮物椀は、海老雑煮。

八寸は数の子とちしゃとう。味、食感、彩りを考えたお酒の肴にふさわしいものを用意します。

煮えもうまくついて、美味しい濃茶が
練りあがりました。
このあとは続き薄して、お客様が退室される頃には、ようやくうっすらと夜が明け始めます。

茶事塾では、一足早く、年越しの茶事をしました。
師走31日に本当の除夜釜をしたいのですが
皆さんお忙しくて、なかなかお付き合いくださる方がいらっしゃらないので
茶事塾で稽古茶事として開催しました。

除夜の侘びた風情のお茶、新年の清々しいお茶
年をまたいで違った世界を味わっていただくために、準備はたいへんです。
しかも蝋燭の灯りで行う夜咄の茶事ですから、神経も相当使います。

お陰で、茶事塾終了後、一週間は体がぼろぼろ、ほとんど病人でした。(笑)
たいへんな茶事ですから、される方もほとんどなくなったのが残念で、誰かに伝えておきたくて。
もう少し、茶事塾のメンバーが動けるようになってからと思っておりましたが
待ってたら、私の体力と気力がなくなりそうですので
思い切って開催しました。
皆さん、喜んでくださっったので、やってよかった!