<2005年11月 開炉の茶事>

霜月11月、炉開きの祝いの茶事をしました。

茶壷に詰めて山で寝かせたお茶の口を切る「口切の茶事」。
現代では、技術の進歩でそのようなことしなくても
美味しいお茶がいただけるようになりました。
わざわざそのために壷に詰めてもらうのも、なんだか形だけになりますので
峯風庵では「口切りの茶事」はしないことにしています。

でも、「口切」の意味やそれにまつわるお茶の伝統や精神は
伝えていければと思い、随所で口切のお話もさせていただきながら
炉を開く喜び、正午の茶事の凛とした心地よい緊張感を味わっていただきました。

初座の床は「松樹千年翠」
大徳寺孤逢庵の卓厳和尚の墨蹟。

棚には、初炭のための羽箒と香合を飾って。

炉の炭手前は、お客様が炉辺に寄って。
炭の暖かさ、美しさに、感嘆の声があがります。

懐石の花の煮物椀は
海老芋真蒸、扇面に開いた車海老。
薄葛仕立てに生山葵をたっぷり添えて。

お目出度い蝙蝠紋の古伊万里の向付に
天然鯛の昆布〆。
汁は亀甲蕪に小豆と芥子を添えて。

大きな栗が丸ごと入った上用饅頭。
口切の茶事に習い、柿も添えました。

 

後座の準備が整い、合図の銅鑼の音に心鎮めて聞き入ります。
アッ、手に扇子を忘れてますね。
私のチェックミスです。ゴメン。

天地の恵みの象徴としていただく
濃茶は厳粛に。
織部グリーンの茶入は
今日のために用意しました。

薄茶の干菓子は
大徳寺納豆入りの落雁と紅葉の雲平。
綺麗に作っていただきました。